身近にある日本
毎日の生活に生きている日本の伝統
お正月

お正月はなぜめでたいのか

昔の日本では、お正月とともに1つ歳を重ねていました。いわゆる「数え年」ですね。
今誰もが「お誕生日おめでとう」と祝いますが、それが昔はお正月だったのです。
といっても、単に”無事に年を重ねられたね”という祝いだけではなく、五穀豊穣と幸せを運んでくださる歳神様をお正月にお迎えするお祝いでもあります。

古来より、お正月には「年神様(歳神様)」が各家庭に訪ねてくると考えられていました。
歳神様は元旦の初日の出とともに高い山から地上に降り立ち、松の内が終わって正月飾りを下ろしたときにお帰りになられるといわれています。

歳神様の「歳」は「登志(とし)」で、登志とは「穀物」のことであり、豊穣と幸せをもたらす神道の神様である、という説があります。
歳神様は、神道の五穀豊穣の神「大歳神」と同一視されているとの話もあるのですが、農耕民族である日本人にとって、五穀豊穣をもたらす神様は非常に大切です。
この有難い神様を、年のはじめにお迎えしてお祝いをするのがお正月なのです。

ちなみに、この歳神様が各家庭にいらっしゃる間の依り代(憑く場所)となるのが、鏡餅です。
この歳神様の魂が残る鏡餅のことを「御歳魂(おとしだま)」といい、それが今の「お年玉」となった、という説があります。