新年を祝い、一年の邪気を払うために飲むのがおとそ(お屠蘇)ですね。
お屠蘇とは何なのか、お屠蘇を飲む由来は何なのでしょう。
お屠蘇とはなにか
みりんやお酒に「屠蘇散」(正式には屠蘇延命散)という生薬を漬け込んだ薬草酒です。
「屠蘇」という言葉は、病をもたらす鬼「蘇」を「屠る(ほふる)」ことで、邪気を払う意味を持ちます。
邪気を払い、延命する薬、ですね。
ちなみに「散」というのは、生薬を細かく砕いて粉にした薬のことです。
お屠蘇の由来
嵯峨天皇の時代(西暦800年前後)に、中国から伝わったとされています。
宮中で、お神酒に屠蘇散を浸して飲んだのが始まりとされているようで、江戸時代に庶民に広まりました。
お屠蘇の作り方
お屠蘇は、屠蘇散を一晩程度、お酒やみりんに浸けます。
みりんは料理で使われる甘い調味料というのが一般的なので不思議な気もしますが、本来みりんは「甘いお酒」でした。
蜜醂酒(みりんしゅ)と呼ばれ、夏には夏バテ防止にも飲まれていたそうです。それが隠し味として調味料に使われるようになり、製造方法も変わってアルコール分がなくなって、今はほとんどが調味料として定着しています。
個人的な感想としては、この屠蘇散はみりんに限らず、甘いお酒に漬けたほうがおいしい気がします。
お屠蘇の飲み方
個人的には特に気にせず飲んでいましたが、本来は作法があったようです。
お屠蘇をいただくときには、一家揃って東の方角を向きます。たいていの宴席では、年長者から盃を下げていきますが、このお屠蘇ばかりは逆。年少者から年長者へと盃を順にすすめます。若者の精気を年長者に渡すという意味合いが含まれているのだとか。
日本名門酒会より
飲むときには「一人これを飲めば一家くるしみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱えます。