4月の別名では、卯月が有名ですね。
実は2月の別名に建卯月という名前があり、ここから2月を卯月と呼ぶのだという話もあるようなのですが、現在では一般的に4月を卯月と呼んでいますね。
卯月(うづき)の由来
卯の花が咲く季節だから、というのが由来のようです。
卯の花とは、ウツギ(空木、卯木)のことをいい、別名をウノハナといいます。初夏から夏にかけて白やピンクの可愛らしい花を花を咲かせます。
このウツギの花が咲くのは、旧暦の4月なので現在の4月に見ることはできません。咲くのは今の暦の5月ごろ(例えば2022年は5月1日が旧暦4月1日なので)になります。
少し話が逸れますが、ウツギの由来について。茎を折ると中が空洞だから「うつろ(空)の木」という説は納得なのですが、卯月に咲くからという説もあるらしいです。
個人的には、誰かがウツギ→ウヅキと言い間違えたところが由来なのでは・・と思ってしまいますが・・どうなのでしょう?
他の別名には何がある?
夏初月(なつはづき)・孟夏(もうか)
旧暦では4~6月を夏としていました。その事から夏の初めを意味する「夏初月(なつはづき)」や「孟夏(もうか)」という名前が付けられました。
孟という言葉には、はじめ、という意味があるので、夏の初めの月という意味ですね。
乏月(ぼうげつ)
冬を越えた卯月の頃には、前年の秋に収穫した穀物などの蓄えが尽き、食料がほどんど無くなっている様子から「乏月(ぼうげつ)」という別名もあるようです。
少し寂しい名前です。
麦秋(ばくしゅう)
卯月の頃は麦の収穫の時期でもあります。そこから、麦が実りの秋を迎えるという意味で「麦秋(ばくしゅう)」という名前があります。
「月」という名前がつかないので、4月を指すというより、麦の実りの頃を指す言葉という印象ですね。
建巳月(けんしづき)
旧暦での卯月の別名です。1月の「寅」から干支のまわりで4月は「巳」となります。ですが、冒頭にも書いたように、2月が「卯」で、ややこしい状態ですね。意味としては以下の通り、巳の方向を指す意味なのですが・・
北の空に常に見えているひしゃく形の北斗七星、そのひしゃくの柄にあたる部分が、旧暦の4月では「巳の方向」を指す(建(おざ)すという)ため、建巳月と呼ぶそうです。