2月の代表的な別名に「如月(きさらぎ)」があります。
他にもいくつかあるのですが、どれもがすぐそこにある春を待つものとなっていて、個人的にとても好きな月です。
昔の人々の春を待つ気持ちに思いを馳せつつ、いくつか好きな名前を紹介したいと思います。
如月(きさらぎ)の由来
衣更着(きさらぎ)とも言い、まだ寒さが残っているから衣を重ね着する(更に着る)というのが名前の由来だそうです。
旧暦の2月は、2022年であれば3月3日から始まります。確かに日差しは春なのにまだ寒さが残っている時期ですね。
暖かそうだとついうっかり薄着して、やっぱり寒いと一枚重ねる、自分もよくやる動作を昔の人もやっていたのかなぁと思ったりします。(多分違います)
他の別名には何がある?
梅見月(うめみづき)
梅は2月に咲く花の代表です。
今よりずっと寒い冬を過ごし、待ち遠しい春の訪れを告げる梅が見れる月、というわくわくした気持ちが伝わってくる名前ですね。
今は花見といえば桜ですが、昔は梅だったそうです。梅の花を大事に思う気持ちが伝わってきます。
令月(れいげつ)
まさに”令和”の名前の元となった、2月の別名ですね。
「初春の令月にして 気淑(よ)く風和らぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」
万葉集にある歌ですが、この「令月」は2月のことと思われます。
というのも、令月という言葉は2月に関わらず”縁起の良い月”、”おめでたい月”にも使うんですね。
この縁起の良い悪いは陰陽道で定めるものなので、毎年変わるそうです。
ただ、なぜ2月を令月と読んだのか、なぜ2月=令月をおめでたい月という意味で別の月にも使うのか、は明確にはわかりませんでした。
推測ですが「令」には麗しい・めでたいという意味があるので、”とうとう春がやってくる、めでたい!”、”梅が麗しい月だ”などから令月と名付けられているのかなと思いました。
おめでたい月という言い回しである「令月」と、まさに麗しくめでたいの月である旧暦2月の単語が同じなだけ、という気がします。
雪消月(ゆきぎえづき)
読んで字のごとく、2月になると雪も消える、ということが由来だそうです。
旧暦の2月に雪が消えるというのは、どのような地域の方が付けた名前なのだろうと考えるのも楽しいです。
建卯月(けんうづき、けんぼうげつ)
旧暦での如月の別名です。これは春を待つ意味はないのですが、すべての月に名前があるのでせっかくなのでご紹介します。
北の空に常に見えているひしゃく形の北斗七星、そのひしゃくの柄にあたる部分が、旧暦の2月では「卯の方向」を指す(建(おざ)すという)ため、建卯月と呼ぶそうです。